のほほんとした気分のときに、もっとのほほんとしたくなったときに、のほほんとしながら本書を読みますと、のほほんMAXになれます
私が保証します
作者は芸人さんの阿佐ヶ谷姉妹
実の姉妹ではなく、顔が似ているといわれたのをきっかけに姉妹コンビを結成したのだとか
お住まいは、コンビ名にもなっている阿佐ヶ谷
姉のエリコさんが住んでいた部屋に妹のミホさんが住むようになり、同居に至った経緯、暮らしている中でのお互いの不満、出来事、がのほほんとつづられています
エリコさんかミホさんが、その時々で我儘で傍若無人なふるまいをするのですが、片方が我を出すと片方が我慢する、そして我慢した出来事について、お互いに文句を言いあっているのが笑えます
文句をいいつつもなんだかんだ愛情も感じるから笑えるのだろうなぁ
そうして、バランスをとりあいながら平和に生きている感じがほっこりとします
しかしながら、いかにのほほんと生きていても浮世で暮らしていれば悲しい出来事にも遭遇します
本書にも、生きている以上だれもが避けることができない悲しいエピソードもありました
本書を読みながらの帰りの通勤電車の中、ひとつ前の駅では二人の掛け合いにニヤニヤしていたのに、次の駅では悲しいエピソードを読んで涙ぐむ
はたからみたら、完全に情緒不安定な女・・・
本書に書かれている表現をお借りすると「普段波風立たない日常にどっぷり浸かっている姉妹」ということですが、そんな平凡な毎日からエピソードを切り抜き、魅力的なエッセイを書く、というのは能力が必要です
私は最近ブログをはじめてみて、読者が楽しいと思える記事を書いてみたいという自分の理想とは遠くかけ離れた拙文しか書けない自分に日々落胆しております
こんな自分からしたら「こんな風に書けるってすごいなぁ」と感心し、読み進めていました
ところが、エリコさんが執筆に行き詰って懊悩する話がでてきました
気軽にブログを綴っているだけの自分と比較するのも僭越ではありますが、「こんなに上手にすらすら文章を書いていてすごいなぁと思っていたけど、やっぱり苦労していたのか」と、勝手に親近感を覚えました
繰り返しますが、仕事で執筆していて、社会的な締切日を設けられているエリコさんと、別に書かなくてもなんの責任も問われない自分では同じ土俵にのってはいませんので、親近感とか本当に図々しい話ですよね
わかっております・・
エリコさんは結局、その苦悩の一日をネタにして文章にしたのですね
さて、追い込まれたエリコさんですが、その時、ミホさんがどうしたのか・・これもまたほっこりさせられます
のほほんとしたいときに、おすすめの一冊です